ほくろを除去する方法ならクリニックで施術する方法がありますが、小さくしたり薄くしたりと目立たなくする方法はあるのでしょうか。またその施術をする前に知っておく注意点とは何なのでしょうか。ほくろを消したくない理由からみていきましょう。

ほくろ除去の際に注意したい『メラノーマ』

ほくろ(良性)とメラノーマ(悪性黒色腫)のメカニズムの比較

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ほくろ除去は短時間で行なえる施術がほとんどです。しかし、ほくろと思っていた存在が『メラノーマ』と診断されてしまうことも。メラノーマとは何か、ほくろと比較しながら説明していきます。

ほくろ(良性)のメカニズム

メラニン色素を生成するメラノサイト細胞が、紫外線による刺激を受け集中した部分にほくろが生まれます。先天性、または後天性のものがあり、突起のありなしなどその状態は様々です。しかし、その多くは5ミリ程度の大きさに留まっています。医学的には『母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうせいぼはん)』『色素性母斑・しきそせいぼはん』などと呼びます。

メラノーマ(悪性黒色腫)のメカニズム

一方、メラノーマは『悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)』と呼ばれ、皮膚ガンの一種になります。メラノサイト細胞が何らかの形でがん化すると、このメラノーマとなってしまうのです。現在のところ、メラノーマができるメカニズムはハッキリとしていません。しかし、肌への摩擦や紫外線、圧迫が要因とも考えられています。

メラノーマは皮膚がんの中でも悪性度が高いため、早期発見と治療が大事なポイントになります。ほくろとメラノーマは似ているため同一化しやすいのですが、簡易的な方法でチェックすることも可能です。次の章でセルフチェックを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!

自宅で行なうメラノーマチェック

メラノーマは成長スピードが早いがんです。そのため、体の一部に急に現れることもあります。そんなメラノーマを見逃さないためにも、以下のチェック方法を覚えて実践してみましょう!

メラノーマチェック 5つのポイント

  • ①鏡を使い、全身や側面の肌をチェックする。。
  • ②手足の関節裏、指の間をチェックする。
  • ③頭部、首、耳など合わせ鏡でチェックする。
  • ④おしり、背中などを確認する。
  • ⑤わきの下、太ももの付け根などリンパ節をチェックする。

どんな変化に注意すべき?メラノーマの特徴

  • ・形が非対称
  • ・色素にムラがあり境界線が不明瞭
  • ・急速に出現・成長
  • ・色素部分が5ミリを超える大きさ。

ここで紹介したチェック方法や、メラノーマの特徴はあくまでも簡易的なもので目安にすぎません。メラノーマかほくろか正しく診断するには、医療機関を受診して検査してもらうことが必須となります。急速に成長したほくろが気になる方は、医療機関を訪ねてみましょう!

メラノーマの診断方法と種類

医療機関で行なわれている、メラノーマの診断方法はいくつかあります。ここでは、それぞれの診断方法の特徴を説明していきます。

メラノーマ検査と診断の流れ

  • ①臨床所見
  • 医師による確認が行なわれる段階です。肉眼での目視、その際は写真撮影も行ないます。
  • ②ダーモスコピー検査
  • ダーモスコピーとは拡大鏡のことで、患部を拡大して見ることができます。目視よりも鮮明な画像を確認することが可能になっています。
  • ③皮膚生検
  • ①②の検査を経てメラノーマの疑いがある場合、皮膚組織を一部採取して、顕微鏡による生検が行なわれます。

上記のような診断を経て、メラノーマの有無を調べていきます。もしも、メラノーマが確認された場合は進行状況に応じた手術や治療を受けることになります。手術や治療に関するまとめを、次でまとめてみました。

メラノーマの手術・治療・予後について

ここでは、メラノーマに関する手術や治療、予後に関してまとめています。日本人のメラノーマは稀とはいえ、いざという時のために対策をしっかりと覚えておきましょう。

メラノーマの手術

メラノーマと診断された場合、がん化している患部を全摘出することになります。切除する範囲は、進行状態によって異なります。以下を参考にしてみてください。

  • メラノーマの切除範囲
  • 0期
  • 約3~5ミリ外側
  • Ⅰ期
  • 約1センチ外側
  • Ⅱ期
  • 約1~2センチ外側
  • Ⅲ期
  • 約1~2センチ外側
    (周辺に移転が確認された場合それらも切除)

メラノーマの治療・予後

  • ①科学療法(抗がん剤の投与)
  • ②インターフェロン療法

術後は、抗がん剤やインターフェロンの投与を行ない、がん細胞の抑制を行なう治療が行なわれています。しかし、これらの方法はあくまでも補助的な役割のため、希望する患者のみに行なわれています。経過観察に関しても、明確な期間や検査が確定していないため、セルフチェックや外来通院は積極的に行なう必要性があります。